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1)テタニー
おもに四肢遠位筋に強い拘縮を起こして,手足の屈曲位を呈するのが特徴的である(助産婦様手obstetrician's
hand).重症の場合,喉頭筋,呼吸筋さらに全身の筋に及ぶ.副甲状腺機能低下症によって起こるが,ほかに偽性副甲状腺機能低下症,ビタミンD欠乏症,過換気症候群,原発性アルドステロン症などでも起こる.多くの場合,低カルシウム血症,低マグネシウム血症あるいはアルカローシスを伴うが,二価の陽イオンであるカルシウムイオンの細胞膜外での減少により膜貫通電場の減少が生じ,脱分極と同じ状態となり,神経線維が興奮しやすくなっているために起こると考えられている.
2)アテトーゼ(=アテトーシス)
ある姿勢を維持したり,運動を行おうとする時に現れる不随意運動.顔面,手,指などに認められることが多く,一般に不規則なゆっくりとした動きで,精神的緊張,疲労時などに増悪する.睡眠時,休息時などでは現れない.病因は基底核とくに線条体の病変に由来するとみられている.アテトーシスの代表的な症例として両側アテトーシスdouble
athetosisがあるが,線条体の大理石様変化が特徴とされている.このほか脳性麻痺,脳炎後遺症,各種変性疾患などに伴う症候性アテトーシスsymptomatic
athetosisがある.舞踏病chorea, 振戦tremorなどとは異なる症候群と考えられている.〔治療〕精神安定剤,筋弛緩剤の投与のほか,機能訓練も治療に試みられるが,装具療法は現在のところ効果はない.外科的療法は適応が難しい.
3)構音障害
広義の言語障害のうち,ことばの音の障害,すなわち意図した音が正しく生成されない状態をいう.これを原因別に分類すると,構音器官の器質的ないし形態的障害によるもの(器質的構音障害),誤った癖,ないし構音器官の使い方の誤りによるもの(機能性構音障害),および構音運動に関与する筋や神経の障害に基づくもの(麻痺性ないし運動障害性構音障害)に分けられる.障害の発現様式としては,音の脱落(省略),音の置換,音の歪みなどがあり,疾患によってこれが恒常的な誤りであったり,変動的であったりする.構音障害の診断は一般に聴覚的判定に基づいて行われるが,補助的に構音器官の形態,運動性などを検査あるいは評価する必要がある.構音は生後の学習によって発達する随意運動であり,発達の状態にはある程度個人差があるので,幼児期の診断には慎重である必要がある.治療方針は原因によって異なるが構音訓練が有効である例が多く,正しい診断が大切である.
「参考文献」
1) 特集 水・電解質異常,日本内科学会雑誌,86,10,1997
2) 医学大辞典,南山堂
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